路地猫のらくらくさんぽ

発達障害でもらくらく生きる

ここでは涙OKです。

閉店間際にいらしたお客様の涙が頭から離れませんでした。

 

その女性はお仕事帰りのようでした。

ストレスがたまっているのでリラックスしたいとのこと。

少しハーブティーの安眠効果などのお話をしましたが、その後はお客様が溜め込んでいた思いを一気にお話し続けました。

私は意識を全部お客様の方に向けて耳を傾けていました。

なのに時々お客様の言葉が聞き取りづらくて意味がよくわからず何度も聞き返してしまって、本当に申し訳なかったと思います。

 

 

お仕事の影響で腰痛がひどいこと、首や背中も痛むこと。

整形外科に通院していたが、費用がかかり過ぎてもう行けないこと。

とうちゃん(旦那さんかお父さんかわからないが)が体調を悪くしていること。

通勤距離がとても遠いこと。(私も聞いてビックリするほど)

仕事がうまくできず職場の上司には怒られてばかりで毎日辛いこと。

お顔や手がガサガサに荒れていて困っていること。

(お洋服も洗えてないように見えました)

 

どうしたらいいか判らず心が悲鳴をあげているご様子でした。

心療内科に行ったほうがいいんですかね」

と私の目をみつめておっしゃいました。

 

言葉につまってしまいました。

会ってわずか10分足らずです。不用意な返事はできません。私は頭をフル回転させて彼女の状況を整理しました。

 

心療内科を受診するのもひとつの方法ですが、まずはお風呂などで痛みのある首と腰を十分に温めることから始めたらいかがでしょうか」

 

女性は両手の指先でギュッと目をおさえました。

いっぱいいっぱいだった気持ちがあふれ出たようです。

ご自分の体をいたわるということが驚きだったかのようでした。

 

「温かいお茶を一杯、いかがですか」

とお声がけしたら急にそわそわと帰る動き。

私は自分の言葉足らずを痛感し慌てました。

 

11月の夜7時過ぎは、昼間のポカポカ陽気と打って変わって木枯らしです。

せめてせめて気持ちだけでも温まるようにと、とっさにティッシュペーパーに

ラベンダーの精油を数滴たらしてお客様のバッグに放り込みました。

また目頭を押さえさせてしまいました。

 

暗がりへ吸い込まれていく丸い背中に、声は出せないけど必ずまた来てくださいと伝えました。

まだまだ未熟な対応だけど私はここをずっとなくさない、特別なハーブティー屋にしたいと体から湯気が立つほど決意しました。